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by satoyamakko

『Little Challengers小さな挑戦者たち』上映会が開かれました。

国立オリンピック記念青少年総合センター小ホールにて
『Little Challengers小さな挑戦者たち』上映会が開かれました。

4月17日火曜日、午後6時~、
上映後ゲストトーク:鈴木慎子(すずきちかこ)先生/社会館保育園卒園、現在、同保育園にて保育士として勤務

≪鈴木慎子先生・ゲストトーク≫
先ずは、鈴木先生からの自己紹介に続き、現場の先生ならではのお話を沢山頂戴いたしました。
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「私は、子どもを育てる上で、“あきらめる”ということを教えたくないと思って保育をしてきました。
なぜなら、子どもたちがあきらめずに頑張ったとき、何かを達成したときに見せる
“キラッと輝く瞬間”、“自信たっぷりの笑顔”!
これを見たとき、あぁ、やっぱり最後までやらせてよかったなぁ~と、心から思えるからなのです。
でも、こういうことって、6歳児になって急にできるようになるのではなく、やはり、木更津社会館保育園ならではの0歳児からの保育の積み重ねがあってのこと。
私はたまたま、その0歳から6歳に育て上がった子どもたちを相手にしていたわけで、
なんか、私って、良いとこどりだなぁって、思うこともありました(笑)!」

次に、鈴木先生から質問タイムを設けて下さり、5名の方から質問が上がりました。

Q1)
教員免許をお持ちの男性の会社員の方から
①子どもへの話し方として、自分は、a)ゆっくり丁寧に諭すように話す話し方、次に、b)叱咤激励する話し方の2種類を使い分けています。この映画を観ていると、どちらかというと、後者の叱咤激励のほうが多いように感じましたが、どうでしょうか?
②鈴木先生は、この保育園を卒園されていらっしゃるそうですが、ここを卒園されて役立っていることはありますか?
A1)
①叱咤激励の話し方を、いつもしているわけではなくて、もちろん、諭す話し方をする時もあります。この映画の中のように、叱咤激励して、自分たちの感情をぶつけたとしても、子どもたちは私たちについてきてくれると思っています。普段から、子どもたちと私たちとの間に信頼関係があるからこそ、あのように関われるのだと思っています。
②私は、よく友人や同僚にも言われるのですが、幼少期の記憶が鮮明なんです・・・たとえば、竹馬をしていた時のことや、竹馬から降りた先にいて下さる先生の表情とかを、鮮明に覚えているんです。
もちろん、社会館保育園の生活には、苦しいものもありました。お泊り保育のとき、寒い中、薪を探しに山の中を歩き回り、それを背負って疲れて半べそをかきながら帰る道すがら、手と手を繋いだお友だちのその手の感触とか、やっとたどり着いたら、温かいうどんを作って待っていてくれた先生がいて・・・あぁ、どんなに辛いことがあっても、その先には明るい未来が必ずあるんだ!って、子ども心に思えたことですね。

Q2)
足立区のもと教員だったとおっしゃる男性の方から



最近では、どの地域にも、こどもサポーターとかこどもパートナー、生涯学習センターで保育士の講義などがありますが、子どもの中から力を引き出す、危ないこともやらせる、例えば高い竹に登っていくシーンなど、落っこちて半身不随になることもあるのではないかと心配するけれど、この保育園の園長先生たちは、もちろん初めは試行錯誤だったのでしょうが、どういうことで、このように、子どもたちの力を引き出せるようになったのか?そのテクニックのようなものがあったら教えて欲しい。

A2)
そんな、テクニックなんてものはないですが、・・・「課題をいくつか出す」ことでしょうか。この映画の中では、竹馬や自転車とかが課題でしたが、「年齢に合わせて、少し頑張ればできる課題を挙げていく」。
それから、引き出すコツというより、私が大事にしていることは、「子どもが自分からやろう!と思う気持ち」がなければだめだから、「自分ができるようになりたい!」という子どもの心の葛藤に、「どのように大人が付き合うか?子どもの心を察しながら、関わりあう」ということ。「大人から子どもに何かを“やらせる”のではなく、子どものやりたいという思いを継続させてやり、最後に『できた!』というところまで持って行って、自信につなげていく」ということでしょうか。

Q3)
近所に住んでいらっしゃるという女性の方から
この映画を観て、先生方も体当たりでやっていらっしゃることが良くわかり、ことばだけでなく、先生も体に傷を作りながら指導されていらして、その思いが伝わってきて、学ぶところが多かったです。
そこで、3.11以来、あの園でも、あの里山でも、変わったことは何かありますか?外遊びや子どもへの接し方などで・・・?

A3)
子どもたちのあの日の動揺は大きかったですね。とても不安がりました。というのも、近くに川があって、それが増水してきて、子どもたち全員、2階へ避難したものですから。それに、計画停電などもあったので、まわりが暗く、ろうそくの火の中で過ごしたりで、本当に子どもたちは不安な気持ちでしたね。
ただ、子どもが不安でいるときこそ、私たちは、保育園は、変わらずにいよう、と話し合いまして、そのようにしてきました。泥んこ遊びも、森の活動も、できるだけやりたいと思うし、それについての対策はしてきました。社会館保育園は、毎年、1回、大きな機械を入れて、土壌をひっくり返して、園庭のデザインを全く変えてしまいます。今はものすごく大きな山が真ん中にどーんとあります。そんなわけで、あれから、園庭の土壌を大幅にひっくり返したので、放射能の心配はないし、水遊びもやっています。

Q4)
園を退職されたとおっしゃる男性の方から
映画を拝見し、園の哲学、理念に拍手を送りたい思いでいっぱいになりました。
①今の若いお父さんお母さんは、これをみて、賛同し、どのくらいの人たちが自分の子どもをこの園に入れたいと希望してこられますか?
②「小さなケガは、させよう!」と自分もしてきましたが、困ったことなど今までにありましたか?

A4)
②について先にお答えします。
ケガは大きいケガでは、骨折はありました。本当に保育中のケガでしたから、申し訳ないという思いでいっぱいだったのですが、幸い、親御さんのご理解があって、「もううちの子がやったんだから…」って。小さいケガはいっぱいして欲しいけれど、必要のないケガはやはりして欲しくないと思います。
①TVで放送され、映画の影響もあってか、入園希望者は増加しました。でも、親御さんたちが抱く表面的な理想と現実は異なっていて、子どもが園に入ったからといって、すぐにダイナミックな活動はしません。なぜなら、全然違う環境から来るわけですから。
私は、今、3歳児の担任をしていますが、4月は入園したての子どもたちばかりで、朝は、泣きのオンパレード!私たちは、実際の子どもの姿や、親の不安とか心配を気にしながら、保育をしています。子どもが楽しく園での生活をすること、それが親の安心につながる、と思って、毎日ひとつでも子どもたちに楽しいことをさせてやりたいと、保育をしています。

Q5)
Q1の方
実は私は、フリーターの就労支援を5年間やってきたのですが、チャレンジをさせる、という点では、この保育と共通するな、と思いました。しかしながら、就労支援のほうは、10人中2、3人は、ドロップアウトしてしまうのです。
①そこで、こちらの園では、入ってもついていけない子どもはいるのでしょうか?
②就労支援5年目にプログラムを変更しました。というのも、若者の質が変わってきたからです。木更津社会館保育園の課題とその取り組みのなかで、こうしていけたら良いな、という事があれば教えて下さい。

A5)
②社会館保育園で私はようやく7年目ですので、もちろん、園長や主任の先生方は、そのようなことを考えていらっしゃるでしょうが、私は自分の目の前のことに体当たりしている状況です。
①ついていけない子どもがいるか?という質問については、対象が、大人と子どもの違いがあると思います。子どもはよく親を見ています。
たとえば、今はまだ、毎朝、子どもたちは園に慣れていないから、親と離れるのが嫌で泣きますよね。それを見た親が、後ろ髪を引かれていては、だめなんですよね。保育園に預けると決めたのだから、振り向かずに行ってもらう。大人の迷いに子どもは左右されるんです。子どもは、親が振り向かずに行ってしまって、姿が完全に見えなくなると、10分か15分位は泣いていますが、その内、あきらめます。そして、泣いているより、遊んだ方が良いかな?という感じで、気持ちを切り替えていくものなんです。

Q6)
男性の方から
私は、『里山っ子たち』『里山の学校』そして今日、『Little Challengers小さな挑戦者たち』の3本を観させてもらいました。初めの2本は、それぞれの子どもたちの違いがクローズアップされているように思いましたが、今日の作品は、課題に向けてみんな一緒に向かっていきますね。集団というものを見せていますよね。
社会館保育園では、このふたつを、何か意図があってやっていらっしゃるのですか?

A6)
保育園のなかでも、年長クラスになると、みんながひとつのことに一緒に向かうようになるんです。それには、先ず今までの園生活の基盤があってこそなんです。
子どもたちへの課題は、ひとりひとりのものですが、私は、その中でも「クラスの輪」を大切にしたいと思っています。自分ができるだけでなく、みんなでできるようになりたい!というクラスにしていきたい。団結・集団の力があるからこそ、あれほど広い里山というフィールドでも大人が信頼して過ごせるのだと思っています。                                        以 上

★最後に、鈴木慎子先生、会場のみなさま、主催者様、どうもありがとうございました。
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by satoyamakko | 2012-04-18 12:03 | 映画・上映会のご感想